お盆は、家族や親族が集まり、ご先祖様や故人をしのんで供養する、日本の大切な伝統行事です。
その内容は宗派や地域、ご家庭によってさまざまですが、ここでは伝統的なお供え料理や、避けたほうがよいとされている食べものをご紹介します。
〈お供え料理〉
仏教では、動物性の食材を使わない「精進料理」をお供えする習慣があります。素材の味を活かした、やさしく素朴な味わいが特徴です。
- ごはん
- 汁もの:味噌汁など
- 煮もの:野菜やこんにゃくなど
- 和えもの:ごま和え、白和えなど
- つけものやくだもの
〈お供えもの〉
- らくがんなどの干菓子
- 季節のくだもの(スイカ、モモ、ブドウなど)
- そうめん(細く長く生きることを願う縁起もの)
〈控えたほうがよい食材〉
仏教では、においや刺激の強い野菜を避ける考え方があります。
これらは「五葷(ごくん)」と呼ばれ、煩悩を刺激するものとして、修行や供養の場では控えられることがあります。
【例】
- ニンニク
- ネギ
- ニラ
- タマネギ
- ラッキョウ
お供えの内容は、地域や家庭の風習によっても異なります。ぜひご家族や身近な方に話を聞いてみましょう。
〈お供え後の扱い〉
お供えものは、一定時間供えた後に下げ、家族でいただくのが一般的です。
ご先祖様と食事を「分かち合う」という意味があり、感謝の気持ちを表す行いとされています。
かつてはお盆のお供えものや食事に決まりごとがありましたが、近年では故人の好物や家庭料理を自由に供えるご家庭も増えています。
大切なのは、形式にとらわれすぎず、心を込めて供養すること。
この機会に、お盆料理をお供えする意味について、改めて考えてみましょう。